哲学者・倫理学者・文芸批評家・社会学者
・哲学者の仕事
= あらゆる思考の前提を問い直す。
例)ソクラテスの問答法(あらゆる思考の前提を疑い、その不確かさを暴露する)。
合理主義の前提、経験主義の前提を、ともに問い直す(=デリダの脱構築。あらゆる思考の差延を暴露)。
場合によっては、それにより、以下のあらゆる知的仕事に、変革をもたらそうとする。
・倫理学者の仕事
= 価値判断の前提(基準)を問い直す。
それにより、より確かな価値判断基準を明らかにする。
場合によっては、それにより、以下の知的仕事に、倫理的改善をもたらそうとする。
・文芸批評家の仕事
= 小説・映画・サブカルチャーなどの文芸(諸)作品に通底する
「時代普遍的あるいは時代特殊的な、世界観・人生観」
を明らかにする。
それにより、読者に対して、世界観・人生観についての新たな気づきを与える。(読者への教育)
場合によっては、それにより、「世論」「政治」を動かそうとする。
・社会学者の仕事
= 社会現象(文芸作品などの「流行・消費」を含む)の生じる過程や原因を明らかにする。
それにより、社会改良(ただしその「良」の基準は倫理学に委ねられる)の「方法」を明らかにする。
場合によっては、ある価値判断基準に基づいた社会改良を、促そうとする(マルクス主義など)。
さて、あなたの思考は、上のどの仕事に最も近いでしょうか?
私としては、そうですねえ、やはり根本的なことを考えるのが好きなので、「哲学者の仕事」が一番近いでしょうか。
でも、その仕事ばかりをやっていると、いつまでたっても、特定の主張や行動をできずに、一生が終わることになるでしょうね。
すると、なんらかの特定のアクションを起こしていくには、「倫理学者」「文芸批評家」「社会学者」などになる必要があるのでしょう。
つねに「哲学者」ではありたいものですが、しかし同時に、「哲学者以外の者」でもありたいと思うのです。