緊急メモ 「秋葉原通り魔事件」(背景編)

「幼稚で身勝手な行為であったが、しかしこの行為は、日本社会に対して若い世代が抱いている絶望・不満・怒りに起因した「テロ」だった。このような「テロ」が生み出される背景を、無視してはならない」
東浩紀
http://www.asahi.com/national/update/0612/TKY200806120251.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080621/crm0806210821004-n1.htm

「背景には若者文化の変質があろう。秋葉原も今は友達と連れ立っていく所だ。友達がいない者には秋葉原でさえ居場所にならない。彼に友達がいなかったことが、一番の問題だ」
宮台真司
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=651

「真性の2次元オタク(アキバ系)になってアキバコミュニティーに参加していれば、殺人には至らなかっただろう」
森永卓郎
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/morinaga.cfm?i=20080620c5000c5&p=4

<秋葉原殺傷>加藤容疑者、流転の人生 はい上がる道失い
毎日新聞 - 06月16日 23:13)


加藤容疑者の高校卒業後の足取り
 午前5時半過ぎ、バスが市内を回って男たちを拾う。国道を北上する間、晴れていれば朝日に輝く富士が左手に見え隠れする。だが、窓の外を眺める者はいない。

 6時過ぎ、静岡県裾野市関東自動車工業東富士工場に着く。日本経済を支えるトヨタ自動車の子会社。6時半、始業の合図で派遣社員の一日が始まる。東京・秋葉原の17人殺傷事件の加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は、塗装の汚れを肉眼で調べる工程を担当していた。

 わずかなほこりの付着も許されない。10分間のトイレ休憩と45分間の食事を除き8時間立ち詰めで、数時間の残業もざら。汚れを見逃せば工程長が飛んでくる。下手をすれば始末書を書かされる。

 「塗装面をにらんでいると、すぐに目が痛くなる。手でこするから目が真っ赤になる。初日で辞める者もいるが、やつはまじめだった」。一緒に働いた20代の派遣社員が言う。「トヨタ期間工(契約工員)になりたいと言っていた」。応募したが、不採用。

 はかない夢だった。

 5月半ばリストラのうわさが流れた。同22日、工場の空調が壊れ、ふだん物静かな加藤容疑者が「暑い」とイライラを爆発させた

 今月3日、派遣社員200人を50人に減らすと伝えられた。米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)や原油高の影響で工場は生産を15〜20%縮小する。そんな理由は知らされない。「月末で辞めてもらう」。150人がそのひと言で収入を断たれることになった

 何かが決壊した。5日の出社後に暴れ、姿を消した

  □    □

 青森市の名門、県立青森高校(青高=せいこう)を卒業して、流転の人生が始まった。

 人口8500人の岐阜県坂祝(さかほぎ)町。入学した中日本自動車短大の周囲は里山と田畑が広がる。夜になるとカエルが鳴き、街の灯が遠くに見えた。イタリアの国立フェラーリ工業専門学校と提携し、整備士を目指す若者が全国から集まっていた。

 加藤容疑者は併設の学生寮に入った。周辺にはコンビニと、中華料理店が1軒。

 短大を出て、派遣社員として各地を転々とする。埼玉と茨城では派遣会社の借り上げ社宅で暮らした。

 埼玉の社宅を見せてもらった。3DKのマンションに3人で住む。6畳間3部屋を1部屋ずつ使い、キッチン、風呂、トイレは共用。だが、キッチンの流しに食器はなく、生活臭がまるでない。誰もが6畳間にこもり、音漏れに細心の注意を払うせいか、部屋全体が静まり返っている。

 茨城の社宅では、疲れきって帰宅した40代の派遣社員がこぼした。「事件で派遣に偏見を持たれたら迷惑だ。正社員になれず、仕方なくやっている」

  □    □

 津軽半島の海沿いに、加藤容疑者の母親(53)の実家はあった。才媛(さいえん)とうたわれて青高へ進む。「地元の弘前大に行くくらいなら……」と県外の国立大を受けたが、かなわず、金融機関に就職した。

 父親(50)は青森市に育ち、県立高から同じ金融機関へ。2人は間もなく結ばれ、男児2人をもうけた。加藤容疑者は長男だ。

 父親は努力を重ね、学歴のハンディをはね返し、各支店の営業を統括する役職に上り詰めた。教育熱心な母親は、祖父母に「教育には口を出さないで」とくぎを刺した。「子供は必ず大学へやる」。高卒の夫婦は厳しい態度でわが子に臨んだ。

 期待通り青高に合格し、母親は実家に「智大が合格した」と喜びの電話を入れた

 高校1年の夏。「成績が振るわない」。母親は沈んだ顔で親類に打ち明けている。夫婦仲は冷えた。

 両親は10日、報道陣の前に姿を見せ、母親は地面に崩れた。テレビで見た親族が電話すると、母親は「亡くなられた方に償いきれない」と泣いた。

 よりどころとなるべき家は壊れ、派遣社員としてどこにも根を張れずに流れていく。浮き草が最後にたどり着いたのは、虚実入り乱れる「アキバ」だった。【まとめ・井上英介】


TITLE:[mixi] <秋葉原殺傷>加藤容疑者、流転の人生 はい上がる道失い(毎日新聞
URL:http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=519978

秋葉原無差別殺人男の「闇」…挫折から暴力、家族崩壊
母は「酒鬼薔薇事件」に脅えていた

 東京・秋葉原で7人が殺された無差別殺人事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された加藤智大容疑者(25)は幼少期から高校卒業までを青森市内で過ごした。父と母、3歳下の弟の4人家族。長男の加藤容疑者への期待は特に大きく、そのしつけの厳しさは近所でも有名だった。小中学校時代は成績優秀で人気者だったが、県内のエリートが集まる県立青森高校へ入学後、印象が変わり、暴力をふるうようになった。母はそのころから、息子と同世代の「酒鬼薔薇事件」におびえていた。

 「うちの子が怖い。一体どうなってしまうのか」

 1998年、高校に入学した容疑者と食事時に2人きりになる恐怖を、母親はやつれた顔でPTAの活動仲間だった近所の主婦にもらした。

 長男の家庭内暴力におびえる母親。修羅場はこのころから始まっていた。相談を受けた主婦は「弟さんがいるときは少しは違うようで、ホッとするとも話していた。青高(せいこう=青森高校)に入ったのはいいけど、勉強についていけなくなってゲームばかりしていると嘆いていた。彼が15歳の時に酒鬼薔薇の事件があって、ちょうど同じ年ごろだったから、お兄ちゃんの性格的な問題をかなり気にしていた」と振り返った。


中学時代はソフトテニス部に所属していた加藤容疑者(クリックで拡大)
 神戸連続児童殺傷事件は97年、神戸市須磨区で2人の児童が殺害された。当時14歳の加害少年は「酒鬼薔薇聖斗」を名乗り、新聞社に犯行声明を送りつけていた。

 同世代の犯罪はその後も続き、2000年5月1日には愛知県豊川市で当時17歳の少年が老夫婦を殺傷。同年5月3日には佐賀から福岡へ向かう西鉄高速バスを当時17歳の少年が乗っ取り、3人を刃物で死傷させた。この事件でも「犯行声明」がネットに公開されていた。母親の危惧(きぐ)は、最悪の結果を招くことになる。

 父親は8日夕、勤務先の労働金庫に「家庭の事情で1週間の休暇をとりたい」と連絡を入れ、「どうやら、(犯人が)息子らしいので」と説明したという。母親は昨年夏、近所への挨拶もなく、いつのまにか自宅からいなくなっていた。家族はすでに崩壊していた。

 青森市郊外の自宅は事件当日からカーテンが閉められたまま。かつて母親が丹精に花を育てた庭は、殺風景に荒れていた。加藤容疑者の一家は、どう崩壊に向かったのか。

 加藤容疑者は幼いころ、そろばん教室や水泳教室に通い、両親のしつけの厳しさは近所でも有名だった。幼い加藤容疑者は厳冬下に薄着で長時間、外へ放り出されることもあった。ブルブル震えて黙って立つ様子を見かねた近所の老人が「もう許してあげて」と口を出すと、母親は「お兄ちゃんもいけないことをしたんだから、しようがない」と拒否したという。近所の主婦は「お父さんが厳しいならお母さんが守ってあげればいいのに、そこまでしなくてもというくらい2人で怒っていた。逃げ場がなくて子供が気の毒と思ったこともある」と話した。

 それでも小学校時代の加藤容疑者は「足が速くてクラスの人気者だった」(同級生)。中学ではソフトテニス部に所属し、当時の教師は「成績優秀で、リーダーシップがあり責任感の強い子だった。スポーツでも勉強でもいろんなことを先頭に立ってやっていた。明るくて元気がよくて誰もが認めるがんばり屋だった」と当時の様子を話す。

 高校進学後、印象はガラリと変わった。再会した友人は「髪がボサボサで、内向的になっていた」と驚いた。高校当時の副主任(59)は「おとなしく、特別に問題を起こすでもなく記憶にない生徒だった」と話すが、このころ家庭内暴力も始まっていた。中学までは常にトップクラスだった成績も、県内屈指の進学校では平均以下からさらに下がっていった

 卒業後は岐阜の中日本自動車短大へ進学。この年は学年360人中、4人の東大進学を含むほとんどが4年生大学へ進学する中、短大へ進学したのは2人だけだった。加藤容疑者を園児のころから知る主婦が高校卒業後の進路について尋ねると、母親は「悪いけど進学か就職かも聞かないで」と答えたという。

 高校卒業前、加藤容疑者は教員に「やっぱり前から考えていた中学校の先生になりたい」と打ち明けていた。中日本自動車短大に進学後も担任の教師に、中学教諭になる目標を語り、卒業時の進路調査には「弘前大学進学希望」と報告していた。

 その夢がかなうことはなかった。両親は離別。加藤容疑者は事件前、会社の同僚に「親が借金を重ねるから青森から飛んだ。ろくでもねえオヤジだ」と悪態をついている。自身が書き込んだ携帯サイトには、成績優秀だった小中学校時代を振り返り、「親に『いい子』を演じさせられていた」とある。こんな書き込みもあった。

 「高校出てから8年、負けっぱなしの人生

 加藤容疑者は警視庁の調べに、「事実は隠さずに話します」と素直に応じているが、生い立ちや家族の話になると涙ぐむこともあるという。




TITLE:ZAKZAK
URL:http://www.zakzak.co.jp/top/2008_06/t2008061026_all.html

【アキバ惨劇】(中)劇場犯罪 ネットで発信

 2003年夏。加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は青森市の小学校時代の同級生2人を誘って、初めて東京・秋葉原に足を踏み入れた

 3人はテレビゲーム仲間で、その後も数回、秋葉原を訪れたという。「楽しそうにゲームをしていた様子だけが印象に残っている。こんな事件を起こすなんて想像できなかった」。同級生の一人は語る。



 茨城県土浦市で今年3月、72歳の男性が殺害され、4日後に同市内のJR荒川沖駅で8人が殺傷される事件があった。秋葉原はこの事件でも登場する。最初の殺人事件で指名手配された無職金川(かながわ)真大(まさひろ)容疑者(24)(鑑定留置中)は、8人殺傷事件の当日まで秋葉原のビジネスホテルに潜伏していた。金川容疑者は何度か秋葉原でゲームソフトを購入、この街で開かれたゲーム大会で準優勝した経験もある。

 1990年代にオタク文化の発信基地として定着、近年はIT産業の集積地としても世界に知られるようになった「アキバ」。そこに引き寄せられる人波の中に、惨劇を起こした2人はいた。

 1歳違いの同世代。「殺害するのは誰でも良かった」という理不尽な動機の殺人が相次ぐ中、連鎖反応が起きたかのように2人の供述も一致する。複数のナイフを所持し、次々と通行人を襲った手口も似ている。

 さらに共通しているのが、自己顕示とも受け取れる犯行前の言動だ。

 8人殺傷の前日に、名前を告げたうえで「早く捕まえてごらん」と110番通報していた金川容疑者。加藤容疑者は携帯電話サイトの掲示板を立ち上げ、事件当日の早朝から犯行直前まで、約30回もの書き込みで自分の行動の「実況中継」をしていた。5月19日から事件前日まで開設されていた別の掲示板には、凶器を準備する様子やその時々の心境が記されている。ネット空間の「劇場型犯罪」。

 84〜85年のグリコ・森永事件に代表される従来の劇場型犯罪は、犯行予告や警察への挑発行為が既存のマスコミにより報じられることで、初めて成り立っていた。しかし、今回の事件は、ネットを利用すれば誰の助けも借りずに自作自演できる可能性を示した。

 こうした風潮が加速すればどうなるか。西垣通・東大教授(メディア論)は、加藤容疑者の行動について「不特定多数の人々に犯行計画を公開することで、犯行を断念しかねない不安定な自分を支えていたようにみえる」と分析。ネットへの書き込みが、大それた思いつきを実行に導く牽引(けんいん)力になりかねない危険性を指摘する。

 8日午後の秋葉原では、現場の惨状を携帯電話のカメラに収める若者たちの姿もあった。画像の中には、ネットを通じ、不特定多数に送られたものもある。加藤容疑者がネットの聖地・アキバを現場に選んだことで、誰もが劇場型犯罪の演出者になりうる現実が浮かび上がった。

(2008年6月11日 読売新聞)


TITLE:【アキバ惨劇】(中)劇場犯罪 ネットで発信 : 秋葉原無差別殺傷 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/fe_080611_01.htm?from=yoltop

秋葉原無差別殺人、男の素顔…ロリコン、スピード狂
土浦の連続殺傷男を意識?


 同僚は加藤智大容疑者(25)を、アキバ系ロリコンオタクだったと証言する。日ごろは温厚な半面、スピード狂でバーチャル世界にのめり込み、突然キレるなど、犯行につながる側面も見せていた。父親との確執を漏らしていたこともあり、3月に起きた茨城連続殺傷事件に触発された可能性も浮上している。

 青森県出身の加藤容疑者は製造業派遣大手「日研総業」(東京)に昨年11月登録、静岡県内の自動車部品工場に派遣され、裾野市にある単身用アパートに入居していた。

 加藤容疑者と同僚男性(21)はすぐにうち解けた。麻雀に飲み会と、毎週のように遊んだ。親交を深めるなか、男性は容疑者の特異な趣味に気付いたという。

 「(加藤容疑者の)部屋はモノもなく、殺風景。ただ、同人マンガ誌が数冊置いてあった。カラオケに行ったときに歌うのはロリコン系のアニメソングばかり。『2D(アニメなど2次元世界)しか興味ない』と公言していたし、典型的なロリコンオタクでした

 だが、後輩への面倒見が良かった加藤容疑者への信頼が変わることはなく、親交は続いた。「アキバ好き」を公言していた加藤容疑者は男性ら同僚を連れて秋葉原へ繰り出し、メイド喫茶などを案内。「まあ、こんな感じですよ」と得意顔だったという。

 いつも携帯片手に掲示板「2ちゃんねる」をチェック。自らのハンドルネームを持ち、頻繁に書き込みを行っていたようだ。

 2ちゃんねるのゲーム機を議論するスレッドに5月27日、≪秋葉原で忍者姿の痴漢が刀振り回し大惨事!≫とのタイトルで、≪6/5以降絶対事件起こるだろうから先に立てとくね≫と、今回の犯行予告を思わせる書き込みがあった。加藤容疑者は急にキレることがあったというが、6月5日は容疑者が激昂して会社を飛び出した日だった。

 加藤容疑者は友人(22)に対し、茨城・土浦市連続殺傷事件で逮捕された金川真大被告(24)が熱狂的ファンだった美少女同士の対戦ゲームの画像を送信。ゲームを通じ、金川被告の犯行を意識していた可能性が浮かんでいる。

 一方で、同僚男性は加藤容疑者のスピード狂の一面について「富士スピードウェイや平塚のサーキット場に連れて行ってもらった。一緒にカートに乗ってタイムを競ったんだけど、とんでもなく速かった。以前はスポーツカーのGTRに乗ってたとも言っていた」と証言。別の同僚(21)には「将来トラック関係の仕事に就きたい」と夢を語ることもあったという。

 友人らが「いつもポーカーフェース」と称する加藤容疑者も時折、心に抱えた悩みを垣間見せることがあった。「昨年の年末、自宅まで送ってもらったとき、ポツリと言ったんです。『親が借金を重ねるから、青森から飛んだ。ろくでもねえオヤジだ…』」(同)

 前述の男性と身の上話をしたときには「事故をして廃車になった車のローンが残っている。でも、自動車会社と納得できないイザコザがあったし、家賃も数カ月滞納していたが、両方踏み倒してきた」と吐露。「飛んできたから車も買えない」と愚痴をこぼし、「いなくなるときは何も言わないで飛ぶから」と失踪をほのめかしていた



ZAKZAK 2008/06/09


TITLE:ZAKZAK
URL:http://www.zakzak.co.jp/top/2008_06/t2008060923_all.html

秋葉原無差別殺人男のオタク執着…独特のこだわりも
「アニメ批判すると後ろから刺されるよ」


加藤容疑者が犯行の前に友人へ送った「萌え系」DVDやCD



 東京・秋葉原で7人が殺害され、10人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された加藤智大容疑者(25)。家族や仕事への不満を抱き、感情は徐々に鬱屈(うっくつ)していった。その不満を晴らすかのようにアキバに通い、オタクに救いを求めていったようだ。

 「(秋葉原では)アニメやマンガを批判すると、危ないよ。後ろから刺されるよ。危ないから気をつけろ」

 感情を顔に出すこともなかった加藤容疑者だが、同僚(21)をアキバのメイドカフェなどに案内しながら、笑ってこう注意した。同僚はオタクへの執着を感じたという。

 犯行の約1カ月前のゴールデンウイーク。断絶状態の青森に加藤容疑者は同郷の同僚を連れ、自身の車で帰った。実家に立ち寄ることもなく、車だけを置いて東京に舞い戻った。

 同僚がある時、「あまり表情を見せないよね。過去になんかあったから言いにくいんだろうけれど」と質問すると、「ああ、そうかもしれないね。顔に出さないのは意識してるけど」と、表情も変えずに答えた。

 家族などのよりどころを失っていた加藤容疑者は、車やアキバなど趣味の世界に救いを求めた。

 集めていた同人誌について、「商業化したものはダメ。金儲け主義に走ってもダメ」と独自の価値観を持ち、PCゲームは「萌え系アニメの少女が大量の弾丸を撃ち合う」という同人誌系2Dシューティングゲームにのめり込んだ。

 「制服のチェックスカートには、ハイソックスの紺色か白色じゃないとダメだよね」(同)と、ロリコン趣味を披露したこともあった。

 3月後半のある日曜日。加藤容疑者と同僚3人は、加藤容疑者の発案で、秋葉原に「体験ツアー」に出掛けた。加藤容疑者は早朝、自身の軽自動車でそれぞれの同僚の家までピックアップ。御殿場インターチェンジまで車を走らせた。

 だが、東名高速に入ることはなく、加藤容疑者は車を降りると真っすぐ高速バス乗り場へ。新宿行き小田急バスを認めると、満足そうにつぶやいた。

 「数あるバスの中でも、このバスが好きなんだよ」

 同僚は「わざわざバスに乗り換えるなんて、相当こだわりがある人だと思った」と話し、加藤容疑者の別の顔を垣間見た。

 だが、オタクで紛らわす日々も、すでに限界点に達していた。

 勤務先の関東自動車工業(神奈川)の同僚(28)によると、「加藤容疑者は5月29日、派遣元の日研総業(東京)から契約解除の打診を受けたらしい」。その直後、同僚に「次の仕事をどうしたらいいのか。住所不定なので、仕事もすぐ見つかるわけないし…」と悩みを吐露した

 「6月3日には、加藤容疑者がその対象とはなっていなかったことが判明するが、加藤容疑者は会社への不信感を募らせ、男性に『延長と言ってもいつまで残れるかわからない』などと不安感を漏らしていた」(同僚)

 加藤容疑者には金銭トラブルもあった。

 別の同僚(21)には「前に住んでいたアパートの家賃数カ月分と事故をした車のローンを踏み倒して(静岡県に)来た」と告白。このため、住民票が変更できず、しばらく携帯電話代金を携帯電話ショップの窓口に払っている状況だった

 そして、追いつめられた加藤容疑者は、大好きだったアキバで暴発した。


ZAKZAK 2008/06/10


TITLE:ZAKZAK
URL:http://www.zakzak.co.jp/top/2008_06/t2008061011_all.html

「もう死ぬ」「だめだ」加藤容疑者、同級生にメール繰り返す
秋葉原無差別殺傷

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が数年前から、中学や高校など複数の同級生に対し、「もう死ぬ」などと伝える携帯メールを繰り返し送っていたことがわかった。

 今年3月には、「東京に遊びに来ないか」と複数に連絡し、断られると「生きていても意味がない」という内容を最後に連絡が取れなくなった。警視庁は、自殺願望を漏らしていた加藤容疑者が、無差別殺人へと駆り立てられた心理の変化についても解明を進める。

 同級生らに自殺をほのめかすメールが来るようになったのは2005年ごろ。青森県内の小中学校でテレビゲーム仲間だった同級生や、県内トップの進学校、県立青森高校の同級生たちに別々に送られてきた。

 当時、加藤容疑者は岐阜県内の短大を卒業し、仙台市の会社で警備員をした後、職を転々としていた。メールには「死にたくなったから、今から高速道路に車で突っ込む」などの自殺願望や、「もうだめだ」「疲れた」などと将来を悲観する心境や両親への不満などが書かれていた。

 高校の同級生はその都度、「そんなことはするな」とメールを返信していたが、加藤容疑者が派遣社員として静岡県内の自動車工場で働き始めた昨年11月以降、連絡が取れなくなったという。

 しかし、今年3月、「東京に遊びにこないか」というメールがあり、同級生が「仕事があるから行けない」と断ると、「ダメだ。生きていても意味がない。死んでしまいたい」というメールを最後に再び連絡が途絶えた。加藤容疑者はその直後の4月ごろから、携帯電話のサイトに仕事や私生活への不満や絶望感を書き込み始めたといい、「友達がいない」という記述も目立った。

 同級生の一人は「『死にたい』とは言っても、事件を起こすような発言は一切なかった。あれば絶対に止めていたのに」と悔やんだ。

           ◇

 東京地裁は11日午前、加藤容疑者について、20日まで10日間の拘置を認める決定をした。

(2008年6月11日16時03分 読売新聞)



TITLE:「もう死ぬ」「だめだ」加藤容疑者、同級生にメール繰り返す : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080611-OYT1T00561.htm?from=main1

「会社に居場所なくなった」加藤容疑者が供述
秋葉原無差別殺傷


9日、加藤容疑者の自宅マンション(後方)から押収物の入った段ボール箱を運び出す捜査員 東京・秋葉原で8日、通行人らがナイフで刺されるなどして7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、警視庁に殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)(静岡県裾野市)が、「会社(派遣先)に居場所がなくなった」と供述していることがわかった。

 加藤容疑者は事件の3日前、派遣先で作業服がなくなったと思い込み、職場を飛び出す騒ぎを起こしたほか、「2〜3日前に犯行を決意した」と話していることから、同庁では、このトラブルが無差別殺人の引き金になった疑いがあるとみている。

 同庁は9日、加藤容疑者が運転していたレンタカーなどを検証し、ナイフ3本と特殊警棒を押収。犯行に使ったダガーナイフも含め、ナイフ計5本を用意していたという。加藤容疑者は「福井県内の店で買った」と供述している。

 同庁幹部によると、加藤容疑者は話が家族に及ぶと涙を流しながらも、調べには素直に応じ、「事件前日も秋葉原に行き、ゲームソフトを処分してレンタカー代の足しにした」と供述しているという。

 派遣先の「関東自動車工業東富士工場」(裾野市)の同僚男性(34)によると、5日午前6時過ぎ、出勤した加藤容疑者は自分の作業服が見当たらないことに怒り、別人の作業服をめちゃくちゃにした後、無断で帰ったという。加藤容疑者は以前から、派遣契約を打ち切られるのではないかという不安を同僚に漏らしており、同僚は「クビになったと勘違いしたのではないか」と話している。


(2008年6月10日03時04分 読売新聞)

TITLE:「会社に居場所なくなった」加藤容疑者が供述 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080610-OYT1T00066.htm?from=top

事件当日朝、同僚に犯行予告…秋葉原無差別7人殺害
3日前には会社でブチ切れる


携帯電話サイトに書き込まれていた文書。秋葉原での犯行予告か(クリックで拡大)
 東京・秋葉原で8日、7人が殺害され、10人が重軽傷を負った通り魔事件で、殺人未遂で現行犯逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は事件当日朝、親しい同僚男性に「ちょっとアキバに寄って、そのまま東の方に飛ぶ予定」と犯行をほのめかす言葉を言い残し、車に乗り込んだ。インターネット掲示板の携帯電話サイトに、犯行予告の書き込みをしたことも認めているという。友人らによると、加藤容疑者はバーチャルの世界にのめり込み、うまくいかない人生への呪詛を漏らすこともあったという。

 ≪起きてる? 渡したいものがあるんだが、0800〜0830頃って空いてる?≫

 勤務先の静岡県内の自動車部品工場で同僚だった男性(21)に、加藤容疑者からメールが入ったのは8日午前7時14分だった。5日以来の突然のメール。男性は少し奇異に感じながらも応じた。

 ≪おK(OK)把握 多分、8時半頃になると思われ よろすぃく≫

 そう返信した後の午前8時45分ごろ、引っ越し用に「三島市内で借りた」というレンタカーの2トントラックで、男性の自宅アパート前に乗り付けた。

 いつもと変わらぬポーカーフェース。ただ違ったのは、普段は「ジャージーにTシャツだった」(男性)加藤容疑者が、スーツ姿だったことだった。

 「どうしたの、このトラック?」。加藤容疑者は「アキバの方に(荷物を)届ける」と答えた。帰ってくるのかと聞くとこう答えた。

 「アキバの方に届けて、ちょっとアキバに寄って…。そのまま東の方に飛ぶ予定…

 それから約3時間半後の午後零時35分。東京・秋葉原は血の海になった。

 小中学校時代の同級生に「死にたい」と漏らしたこともあった加藤容疑者。今回の事件では、「世の中が嫌になった。生活に疲れた」と供述しているというが、犯行の“予兆”は3日前に見られていた。

 「5日の朝、出勤してきた時、いきなり『自分の作業服がない』と怒り出した。『なんでつなぎがねえんだよ! どうなってんだ、この会社は!』と激高し、会社に来なくなった

 一方で事件当日の早朝から正午すぎにかけ、携帯電話サイトの掲示板に「秋葉原で人を殺します 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」と書き込んでいたとみられている。


犯行予告と見られる携帯掲示板(クリックで全文)
 掲示板の書き込みは、8日午前5時21分の「秋葉原で人を殺します」との内容でスタート。「途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな」などと続き、「時間だ 出かけよう」(6時31分)、「秋葉原ついた」「今日は歩行者天国だよね?」(11時45分)などと書き込みが続き、午後零時10分には「時間です」と記されていた。事件は午後零時半ごろに起きた。

 同じサイトの別の掲示板には、事件前日まで書き込みがあった。5日は仕事の不満が多く、「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」(午前6時17分)、「やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな」(午前7時44分)とあり、「『誰でもよかった』 なんかわかる気がする」(午後零時5分)との記述も。

 6日には「住所不定無職になったのか ますます絶望的だ」(午前1時44分)、「やりたいこと…殺人 夢…ワイドショー独占」(午前2時48分)と書かれていた。

 7日には「今日は秋葉原 お金をつくりに行く」(午前8時3分)、「無事借りれた 準備完了だ」(午後4時3分)、「明日は運転するんだから、お酒は控えめに」(午後7時33分)と記載。「もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしてる」(午後8時34分)と分析後、「中止はしない、したくない」(午後8時53分)で終わっていた。

 「渡したいものがある」。8日早朝、こう来訪を告げて同僚男性宅に立ち寄った加藤容疑者はしばらく雑談した後、秋葉原の雑貨屋の袋を手渡した。中には同人誌系アニメのDVD、ゲームやCDが計7枚入っていた。

 「あっ、そろそろ行かなきゃ」。車に乗り込もうとする加藤容疑者に男性が言った。「みんなに見せるから、(トラックの)写メ撮っていい?」

 「いいけど、今日飛ぶ予定だから、今日は言わないで」。加藤容疑者は笑いながら車のドアを閉めたという。



ZAKZAK 2008/06/09


TITLE:ZAKZAK
URL:http://www.zakzak.co.jp/top/2008_06/t2008060919_all.html

加藤容疑者、事件直前に友人へナイフ譲る
…携帯データは消去
 東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、警視庁に殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が事件直前、福井市内で購入したナイフのうち1本を、愛用のゲームソフトと一緒に友人に譲渡していたことが警視庁の調べで分かった。

 自分の携帯電話の全データを犯行直前に消去していたことも判明。同庁では、加藤容疑者が身辺整理をしたうえで実行したとみている。

 逮捕直後、加藤容疑者は「購入したのは5本」としていたが、その後「6本購入したが、うち1本は、8日午前8時ごろ、派遣先で親しかった同僚に、ゲームソフトなどと一緒に段ボール箱に詰めて譲った」と供述した。

 友人に譲った理由について、加藤容疑者は「ゲーム好きの同僚にナイフとともに渡せば、喜ぶと思った」と話しているという。同僚は報道で事件を知り、「怖くなって捨てた」としている。

 さらに加藤容疑者は、事件の約20分前の8日午後0時10分ごろまで、掲示板に書き込みを続けていた携帯電話について、「電話帳や通話履歴、電子メールの送受信履歴などのデータをすべて消した」と供述。自宅マンションの部屋も、きれいに片づけられていたという

(2008年6月11日09時15分 読売新聞)



TITLE:加藤容疑者、事件直前に友人へナイフ譲る…携帯データは消去 : 秋葉原無差別殺傷 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080611-OYT1T00223.htm

加藤容疑者「車で多額の借金」、リストラ情報でも不安
秋葉原無差別殺傷

 東京・秋葉原で今月8日、17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が5月下旬、派遣先の同僚に「多額の借金がある」と話していたことがわかった。

 加藤容疑者は、この時期広まった派遣先でのリストラ情報に将来の不安を募らせていたほか、高校入学後、挫折を繰り返し、「人生が嫌になった」とも供述しており、警視庁ではうっ積したストレスが犯行の背景にあったとみて調べている。

 派遣先の「関東自動車工業東富士工場」(静岡県裾野市)の同僚男性によると、加藤容疑者は5月下旬、工場で休憩中に突然、「多額の借金を抱えている」と打ち明けた。借金の原因については「車に関すること」とだけ話したという。

 加藤容疑者は2006年から07年ごろ、当時乗っていたスポーツカーから別の車に乗り換えており、その理由について友人に「死のうと思って高速道路に突っ込んでつぶした」と説明していた。同じ時期、別の友人に繰り返し送ったメールでも「金がない」と嘆いていたという。

 加藤容疑者は犯行直前の今年5月下旬、派遣元の日研総業(東京都大田区)から、近く派遣社員の大半の契約が解除されるとの見通しを聞かされていた。加藤容疑者は、日ごろから不安定な立場を気にしていたとみられ、同僚らは「急に大声を上げるなど、ストレスをためていたようだ」と指摘している。

 6月に入り、加藤容疑者は自分自身はリストラの対象外だと知るが、事件3日前の同5日、作業服を隠される嫌がらせを受けたと思い込み、職場から無断で帰宅。同僚らは「必死になって作業服を探していた。頭に血が上って、パニックになっているように見えた」と話している。

 一方、警視庁幹部によると、加藤容疑者は被害者に対し、「申し訳ないことをした」と話しているという。

(2008年6月12日03時03分 読売新聞)



TITLE:加藤容疑者「車で多額の借金」、リストラ情報でも不安 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080612-OYT1T00013.htm?from=main1

<秋葉原殺傷>ネット犯行予告、警察通報を期待…容疑者供述
毎日新聞 - 06月12日 02:41)

 東京・秋葉原で8日、17人が殺傷された事件で、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し、「ネットに犯行予告を書けば、誰かが通報して警察が自分を止めてくれるかもしれないと思った」と供述していることが分かった。この「犯行予告」を携帯電話サイトの掲示板で見た利用者から、事件前、連絡が数十件もサイトの運営会社に寄せられていたことも判明。しかし、日曜日で休みだったため気付かず、警察に通報されなかった。

 加藤容疑者は、掲示板への書き込みについて「日ごろから日記代わりに使っていた」と供述。事件直前の書き込みで誰かが止めてくれることを期待していた旨を供述している。

 警察当局によると、サイトを運営していたのは、滋賀県栗東市にある情報提供サービス会社。携帯電話で接続できるサイト「究極交流掲示板(改)」(究改)を運営しており、加藤容疑者が「秋葉原で人を殺します」というスレッド(特定の話題に関する投稿の集まり)を立ち上げていた。事件の8日に、「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」(午前5時21分)「時間だ出かけよう」(同6時31分)「秋葉原ついた」(同11時45分)−−などと「犯行予告」をした。

 加藤容疑者の書き込みをみて、「危ないのではないか」などの連絡が数十件、メールなどで運営会社に寄せられていた。しかし、同社は7、8日の土日は休みで人がいなかった。気付いたのは月曜になって社員が出勤してからだった。

 毎日新聞の電話取材にこの運営会社にいた社員は「(事件の犯行予告があった)掲示板を運営しているのは事実だが、担当者がいないので詳しい経緯は分からない」と話した。 警察庁は今回の事件を受け、インターネットの掲示板に殺人や爆破予告など犯罪を予告する記載を見つけた場合は、直接警察に110番するように電気通信事業者協会など関係4団体に要請。さらに、同庁の委託でネット上の違法・有害情報の通報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター」の態勢を拡充し、休日や夜間も犯罪予告などの緊急性を要する情報に対応することを決めた。【遠山和彦、石丸整】
毎日新聞 (提供元一覧)

TITLE:<秋葉原殺傷>ネット犯行予告、警察通報を期待…容疑者供述(毎日新聞
URL:http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=515549

「襲撃直前、最後に書き込む」=車突っ込みナイフ使用の記述−加藤容疑者
時事通信社 - 06月17日 03:01)

 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、派遣社員加藤智大容疑者(25)が携帯電話サイトの掲示板の冒頭にある当日早朝の時刻が表示された記載について「襲撃直前、最後に書き込んだ」と供述していることが16日、警視庁万世橋署捜査本部の調べで分かった。

 車で突っ込み、ナイフを使うとの趣旨で、別れの言葉も記述。捜査本部は同容疑者が「犯行予告」を目立たせようとして書き換えた疑いがあるとみて調べている。

 調べによると、8日の掲示板には「秋葉原で人を殺します」とのタイトルがあり、続いて「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」(午前5時21分)と記されていた。

 その後、書き込みは「時間だ 出かけよう」(午前6時31分)と続き、「秋葉原ついた」(同11時45分)、「今日は歩行者天国の日だよね?」(同)と記載。事件約20分前、「時間です」(午後0時10分)と締めくくられていた。

 ところが、同容疑者は「『車でつっこんで…』は、事件前の最後の書き込みだった」と話しているという。 

TITLE:[mixi] 「襲撃直前、最後に書き込む」=車突っ込みナイフ使用の記述−加藤容疑者(時事通信社
URL:http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=520033&media_id=4

「やったこと分かってる」=重大性認識、不満も口に−秋葉原殺傷の加藤容疑者

 7人が死亡し、10人が重軽傷を負った東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、派遣社員加藤智大容疑者(25)が警視庁万世橋署捜査本部の調べに「やったことは分かっている」と供述していることが10日、分かった。
 捜査本部は事件の重大性を認識する供述とみるとともに、同容疑者が境遇への不満を口にしており、さらに経緯を詳しく追及している。
 一方、東京地検は事件の残忍さや動機を踏まえた上で、公判をにらみ、同容疑者の責任能力に問題がないと確認するため、鑑定留置の請求を検討している。
 調べに対し、同容疑者は「人を殺すために秋葉原に来た。世の中が嫌になった。誰でもよかった」と供述。携帯電話のサイトに予告の書き込みをしたと述べていた。
 取り調べには、おとなしく応じているが、下をうつむく場面もあり、質問にうなずき、悔やんでいる様子もあるという。
 さらに「事実は隠さないで話す」「やったことは分かっている」とも話し、供述は一貫しているため、捜査本部は物事の善悪の判断などに問題はないとみている。
 現在の仕事などにも言及。さまざまな不満を述べており、捜査本部は事件につながる要因とみて解明する方針だ。

2008/06/11-01:04

TITLE:時事ドットコム:「やったこと分かってる」=重大性認識、不満も口に−秋葉原殺傷の加藤容疑者
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008061000890

【アキバ惨劇】(下)「孤独」解消 社会全体で

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件から4日目の11日。横浜市の中華街では、2人ひと組の制服警官が巡回する姿が目についた。

 目抜き通りは日中、秋葉原の現場と同じく歩行者天国になる。「街に出る警察官をとにかく増やせ」。事件の翌日、そう指示を出した神奈川県警の幹部の表情は厳しい。

 今回の事件で大きな課題を突き付けられた警察当局だが、具体的な再発防止策は打ち出せていないのが実情だ。警察庁のある幹部は「ああいう犯罪を完全に防ぐには、警察官を10倍に増やして、全国の繁華街に数メートル間隔で立たせるぐらいのことをしなければ無理だ」と話す。

 繰り返される無差別殺人。「誰でもよかった」と供述する若者の共通項として、福島章上智大名誉教授(犯罪心理学)は「孤独」を挙げる。「日常的な不満やうっぷんをぶつける相手がいない生活を続けるうちに、蓄積された憎悪が『社会』や『勝ち組』といった不特定多数の人々に向かうようになる。この手の犯罪は今後も増えるだろう」

 もちろん孤独な若者のすべてが無差別殺人に走るわけではないが、同様の見方は警察内部にも多い。泉国家公安委員長も10日の記者会見で、「警察だけではなく社会全体で対処しなければならない」と述べた。

 不可解な動機に駆られて無差別殺人事件を起こすような若者が出てくる原因を探るために、近く有識者会議を招集するのは文部科学省だ。教育心理学などの見地から研究を急ぐ。

 海外の取り組みを積極的に導入しようという声も出始めた。自民党の治安再生促進小委員会の検討にかかわったメンバーの一人は「いよいよ日本版コネクションズの導入を急がなければならなくなった」と語る。

 同委員会は4月、英国の「コネクションズ制度」を日本にも取り入れるよう政府に求める提言をまとめた。社会に適応できない若者の家を相談員が訪れ、疎外感や孤独感を取り除くことで、無謀な犯罪に走るのを防ごうという試みだ。

 小中学校時代の成績はトップクラスだった加藤智大(ともひろ)容疑者(25)。しかし、犯行前に書き込んだとみられる携帯サイトの掲示板には「中学生になった頃(ころ)には親の力が足りなくなって、捨てられた」などと記されていた。「肉親も信じられなくなった彼に別の理解者がいれば、今回の事件は起きなかったかもしれない」と小宮信夫・立正大教授(犯罪社会学)は指摘する。

 ネット上の犯行予告への対応、ナイフの販売規制、派遣社員の身分の不安定さ……。事件を受け、11日に首相官邸で開かれた関係閣僚会合では、再発防止に向けて検討すべき課題として様々なテーマが挙がった。

 動機の見えない犯罪に、何が有効な対策かは誰にもわからない。だが、手をこまぬいているわけにはいかない。解答が見いだせない中で手探りの取り組みが始まろうとしている。

(2008年6月12日 読売新聞)


TITLE:【アキバ惨劇】(下)「孤独」解消 社会全体で : 秋葉原無差別殺傷 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/fe_080612_01.htm?from=yoltop